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しもやけとあかぎれについて

1．しもやけ（凍瘡）について

しもやけってどうしてできるの？

しもやけは医学用語で「凍瘡（とうそう）」と呼ばれていて、寒さで血の巡りが悪くなることが原因で起こります。特に気温が5℃くらいで、寒かったり暖かかったりを繰り返す環境だとできやすいんです。

寒いと末端の血管がキュッと縮んで、暖かい場所に入るとパッと広がります。この縮んだり広がったりが繰り返されることで、血液の流れが滞って炎症が起きてしまうわけですね。

体質も関係していて、冷え性の人、血圧が低めの人、女性や子ども、お年寄りに多く見られます。それから栄養不足（特にビタミンE）、貧血、運動不足なども原因になりますし、きつい靴や手袋で血流が圧迫されるのも良くありません。

どんな症状が出るの？

しもやけは手や足の指、かかと、耳、頬といった体の端っこにできやすいです。最初は皮膚が赤紫色に腫れて、かゆくなったり少し痛んだりします。

ひどくなると、強いかゆみやヒリヒリした感じ、ズキズキする痛みが出てくることもあります。

もっと悪化すると水ぶくれができたり、ただれたり、潰瘍になったりして、日常生活にも支障が出てしまいます。普通は春になって暖かくなると自然に良くなりますが、毎年繰り返してしまう人も結構います。

治療はどうするの？

軽い場合は、とにかく血の巡りを良くするために温めることと、生活習慣を改善することが大切です。ただし、熱いお湯に急に浸けたり、ストーブで直接温めたりするのは逆効果なので注意してください。炎症が悪化してしまいます。

塗り薬としては、血行を良くするビタミンE軟膏やヘパリン類似物質、炎症を抑えるステロイド外用薬などを症状に合わせて使います。かゆみや炎症がひどい時は、お医者さんが飲み薬（ビタミンE製剤や抗ヒスタミン薬など）を出してくれることもあります。

日常生活で気をつけること

• 手袋や厚手の靴下、耳当てなどで手足や耳を冷やさないようにしましょう
• 汗で冷えないように、吸湿性の良い素材を選んでください
• 適度に体を動かして血流を良くしましょう
• バランスの取れた食事を心がけて、特にビタミンEや鉄分を意識して摂りましょう
• タバコは血管を縮めてしまうので、できれば控えめに

2．あかぎれについて

あかぎれはなぜできる？

あかぎれは、皮膚が乾燥して角質層のバリア機能が弱くなり、皮膚に亀裂が入ってしまう状態です。冬の乾燥した空気、水仕事や頻繁な手洗い、アルコール消毒の使いすぎが主な原因ですね。

皮膚の表面には皮脂膜と角質細胞間脂質という天然の保護膜があって、水分が逃げないようにしてくれているんです。でもこれが失われると皮膚がもろくなって、ちょっとした力で裂けてしまいます。洗剤や石けんの使いすぎ、年齢とともに皮脂が減ること、アトピー体質なども関係しています。

どんな症状？

あかぎれは指先、指の関節、かかとによくできます。最初は皮膚が白く粉を吹いたように乾燥して、そのうち細かいひび割れができてきます。

さらに進むと深い亀裂になって、動かすたびに痛みが走り、血が出ることもあります。傷口からばい菌が入ると化膿したり炎症を起こしたりする危険もあるので、軽く考えない方がいいですよ。

治療方法は？

治療の基本は何といっても保湿です。ワセリン、尿素配合クリーム、ヘパリン類似物質などの保湿剤をこまめに塗って、角質層の水分を保てるようにします。

亀裂が深くて痛みや出血がある場合は、炎症を抑えるステロイド外用薬や、傷を保護する液体絆創膏を一緒に使うこともあります。感染している疑いがあるなら、病院に行って抗菌薬を使うかどうか相談した方がいいでしょう。

日常生活での対策

• 手を洗ったらすぐに保湿剤を塗る習慣をつけましょう
• 水仕事の時はゴム手袋を使って、蒸れないように中に綿手袋をはめるといいです
• アルコール消毒は必要最小限にとどめましょう
• 部屋の湿度を40〜60％くらいに保ちましょう
• 寝る前に保湿剤をたっぷり塗って、綿手袋や靴下をはいて寝るのもおすすめです

3．しもやけとあかぎれ、何が違うの？

しもやけは血の巡りが悪くなって起こる炎症で、あかぎれは乾燥で皮膚のバリアが壊れることが原因という点が大きな違いです。

でも、どちらも冬に多くて、冷えや乾燥、生活習慣が深く関わっているという共通点があります。

予防するには「冷やさない」「乾燥させない」「血流を良くする」という3つを意識した生活が大切です。症状が軽いうちから適切にケアすれば、ひどくなったり慢性化したりするのを防げます。

しもやけもあかぎれも、私たちの身近な皮膚トラブルですよね。原因や対策をきちんと理解して、日々の生活でちょっとした工夫を積み重ねれば、予防も改善もできます。症状が強かったり毎年繰り返したりする場合は、自己判断せずに皮膚科を受診することをおすすめします。